日本文化とはなんとも美しいものですね。アカヌマです。
酒屋としての創業は安政3(1856)年、昭和24(1949)年に酒場になってから 70年という超老舗の居酒屋に伺ってきました。
ここだけ昭和の初期(生まれてないけど)に戻ったかのような、どこか懐かしさと安心できる不思議な感覚を味わえるお店です。
入った瞬間から、凄くテンションが上りました。
ノスタルジック
ノスタルジーってこういうお店の事を言うんでしょうね。
楓の丸太を半分に割って作ったというカウンター席に座らせていただきました。
店主の「仕事」がよく見える特等席です。
カウンターとあとは小上がりが。
一番最初に入店したので、写真を取らせてもらいましたが、続々と他のお客様も入店。
17時にオープン。予約していかないとすぐに満席になってしまいます。
ちなみにこのお店。女性だけの入店はNGとのことです。昔からそうなのだとか。男性との入店はもちろんOK。
メニュー
メニューもメチャクチャ味があります。
なんかいいんです。なんか好きな感じです。
一般的な居酒屋よりメニューは少なめですが、本来はこれでいいのかもしれません。
選択肢が多いことだけがいいことではないかもしれませんね。
突き出し
先ずは突き出し。煮豆です。
最早名物となっているみたいです。実にシンプルな味付け。悪くいうと素っ気ない。
でも、こういうのってついつい箸が進んじゃうんですよね。
たたみいわし
名物のたたみいわしを。
特別物凄い美味しいわけではないのですが、とても満足度が高いたたみいわしです。
まだ暖かいたたみいわしを、バリバリ食べる。
気がつくと殆どの人がタタミイワシを食べています。
うなぎ くりからやき
くりから焼きとは長いものを串に巻きつけた形が、倶利迦羅龍王という蛇が剣に巻き付いて、更にその剣を飲み込もうとしているお不動様の化身によく似ていることからそういう名前がついたそうです。
鰻の場合、身の部分の切れ端を串に巻いて焼くのを「くりから焼き」とい言います。
先端には肝がついていました。
微かな肝の苦味が程よく心地よい鰻の串焼きでした。
鰻の味わいも凄く強く感じるのは焼き方のせいなのでしょうか。
煮奴(にやっこ)
僕としては本日一番のお気に入りがこちらの煮奴。
あまり甘さが無いすき焼き風の割下で、豆腐、ネギ、鶏肉の肝が煮込まれています。
ちょうど寒くなってきた時期ということもあったのですが、これを本当に食べれてよかった。スープを啜った時に思わず感嘆の声が出たほどです(笑)
豆腐好きにはたまらない一品なんです。
京みたいな寒い日だったら毎日でも食べたいなぁ。
とり皮やき
今時、一本560円の焼鳥って最近では高級店でしか見かけませんよね。
とても上品な鳥皮です。脂がしっかりあるんだけど、全く嫌な感じやしつこさを感じない脂の風味が感じられます。
個人的にはもうちょっと塩を・・・とも思いましたが、これくらいのほうが本来は素材の味を感じられるんですよね。
お酒
お酒はもちろん熱燗です。菊正宗をいただきました。
燗付け器も時代を感じます。
思わず雰囲気にやられて飲みすぎてしまいます。
「昔はさ、冷やで飲む人なんていなかったんだから。」
そんな一言が耳に残りました。
長くいるのは粋じゃない
連れてきてくれた方が「こういう店は、長くいるのは粋じゃないんだよ」といって1時間弱で退店しました。
風情あふれる芦屋の鍵屋。
白髪の店主も話の引き出しが多く、話が弾みます。
昭和初期の居酒屋文化がそのまま残っているようなこのお店、居酒屋好きな方は是非一度行ってみることをおすすめします。
僕みたいに、すぐにもう一度行きたくなるでしょうから。
ごちそうさまでした。
鍵屋
もう雰囲気は文句なしの満点です!
鶯谷というか、根岸にありますが、このちょっと住宅地にいきなりあるような場所もまた良し。
名物の、くりから焼き、たたみいわし、煮奴は是非食べてみてください。
とにかく、「居酒屋」という雰囲気を存分に楽しめます。