どんな世界でも極めれば極めるほど奥深く底が見えないように、和牛は調べたり食べたりするほど奥深いことがわかってきたんです。
格之進R+を経営する千葉社長曰く熟成肉は「お肉の表情を豊かにするための一つの方法」というのです。お肉の表情。実に深いことを仰るんですよ。
これはもう食べてみないとわからないです。豊かになったお肉の表情を味わってみたいと思います。
前菜盛り合わせ
先ずはシャルキュトリーや熟成肉の盛り合わせを頂きます。
これから始まる熟成肉の美味しさを予感させてくれるような逸品の数々です。
海の幸とお肉のコラボ
続いては、いわゆる「うにく」の登場です。あん肝もこうやって和牛と合わせることで旨味が増すんです。
ウニは赤ウニです。いい感じの甘味が口に広がります。もちろん肉との甘味もバッチリです。
あん肝と肉の組み合わせは初めて食べましたが、意外とお互いを殺さないんです。
焼きしゃぶのウニ巻
こちら。中にたっぷりのウニが巻かれています。
肉の旨味と中から溢れ出てくるウニの旨味。シッカリと残るウニと肉の余韻が楽しめるんです。
これは美味しい一品ですね。
塊肉
先ずは和牛のLボーンステーキです。
すごい迫力です。
塊肉の魅力は先ずはその見た目。
このまま目の前で焼いてもらえるのですが、やっぱり何度見ても普通の焼肉屋さんとは違う光景が楽しめます。
ちなみに骨付き肉の場合は骨から焼くのが格之進流です。
熟成肉。食べてみると門崎の千葉社長が仰ってた「お肉の表情を豊かにする」という表現が少し理解できた気がするのです。
肉は元々の種が持っている肉質に加えて育て方、食べている餌、熟成具合はもちろんなのですが、切り方や焼き方によっても味が大きく変わってきます。
肉の味の変化は千差万別。いろいろな可能性があるのです。
いろいろな可能性を持っている肉の可能性を引き出して、可能な限り自分たちが考えているベストな状態でお客様に提供しようとすることを「お肉の表情を豊かにする」という表現をされているのだと理解しました。
どの熟成肉も甘味と旨味が段違いに強くなっています。
格之進の熟成肉は所謂これは熟成肉と熟成されていないお肉との比較という話ではなくて、目指しているところが別の味だということなのだと思います。
実際に、よくある熟成肉で感じるナッツ系の香りの熟成香というよりは、もっと甘いココナッツとかフルーツとかの優しい甘い香りがするのが特徴です。
希少部位のメガネはハラミのような柔らかさと、熟成させたことで出てきたと思われる赤身のような旨味が同居するお肉です。
目をつぶって味わって全神経を口に集中させることを強くオススメします。
脂身しっかりの和牛のLボーン(サーロイン)です。
やっぱり脂が旨い。甘い。濃厚で強く感じられます。これは前日に食べた某所の A5 のサーロインとはやはり「美味しい」のベクトルが違う旨味でした。
柔らかさと甘味と旨味。よく和牛の美味しさを表現する時に使われる言葉ですが、一般的に使われている甘味と旨味の目指している方向性が違うのが格之進が目指している熟成肉ということがよく理解できたんです。
ちなみに、塊肉は日によって出てくる部位が違いますので、その時その時の肉の熟成具合でいろいろな味をお楽しみいただけます。
旬に寄ってネタが違うお寿司屋さんみたいですね。
熟成肉にすることで豊かになるお肉の表情をもっと知りたいので、しばらく色々なお店の熟成肉巡りと格之進巡りをしてみようと心に決めたのでした。
ごちそうさまでした。
門崎熟成肉
熟成肉とは何か?を、知りたいならば是非こちらのお店に伺うことをオススメします。
旨味と甘味が強烈な塊肉を食べることが出来るはずです。
ちなみに、本文には書き漏れていますが、牛醤という和牛の成分が織り交ぜられた、お肉のための醤油をちょこっと垂らして熟成肉を食べるのがオススメです。