先日、左右が瞬時にわからない方に遭遇しました。
あれ?それ私も結構あるなと思い、それがなぜなのかを考えてみました。
この記事のポイント
左右盲とは
左右の区別をすることが苦手な方を左右盲というそうです。
幼少期はもちろん理解するまでに時間がかかってしまうと思いますが、大人になってもこれが苦手。右折・左折などと別の言い方をされると更に苦手という方も少なくないようです。
私も瞬時に左右の判断が付きません。
左右を判断する際は一旦考えないと正確にわからないのです。整体などマッサージを受けている時に間違えることが多く、「右を上でお願いします。」と言われても左を上にしてしまう。これはリラックスをしており、あまり考えていない状態だから間違えるのだと思われます。
この場合、間違える時があるというよりも高確率で左右を逆にしてしまいます。
「そんなこともわからなのか。」と茶化されたりすることもあります。
私は何故こうなのか?本当に処理能力が低いのだろう。そう思っていました。
しかし先日、左右を自信満々に間違えた人を目の前にして、「あぁこれは違うかも」という事に気が付きました。
彼女は間違いを指摘されても間違いだという事を理解していない様子で、更に間違いを指摘すると軽くパニックに陥っているようにも見えました。
これは私より重傷かもしれない。
対象者は限りなく同じ環境で育ってきた家族です。
今まで自分と似た感じで左右がわからなくなっている方に出会ったことがなく、身近な家族が同じだということは、左右盲は幼少期の体験が影響している。そう思ったのです。
何がこうさせたのか?すぐにピンときました。
私たち姉妹は2人ともクロスドミナンス(交差利き)なのです。
クロスドミナンス(交差利き)とは
クロスドミナンスとは日本語では交差利き、要するに物によって利き手が異なることを指します。
利き手を聞かれた際に「物によって利き手が異なる。」と伝えると「じゃあ両利きなんだね。」とよく言われるのですが、両利きではありません。
聞き慣れないかもしれませんが、正確には交差利きです。
クロスドミナンスになる一番多い理由は「途中で利き手を逆に直されたから」なのではないでしょうか?
利き手は遺伝によるものだそうです。
両親は右利き、私も最初は右利きでした。
ではなぜ左を使うようになったのか?
それは姉が左を使っていたからです。
彼女はテーブルで向かいに座っている母の真似をして左を使うようになったそうです。
まだ右左の判断がつかない幼少期に鏡の要領で真似をした結果であり、彼女も元は右利きだったのではないかと思われます。
そして私は隣に座っている彼女の真似して左を使うようになりました。
私は後天的な左利きということになります。
なぜクロスドミナンス(交差利き)になったのか
全て左手を使う生活をしていたかと思いますが、小学校に上がったタイミングで担任教師より「字を書くのは右!そっちじゃない!」といったように厳しく直され、右手で字を書くことを覚えました。
ちなみに姉妹で同じ担任の先生だった為、全く同じように直されたと思われます。
しかし直されたのは字を書く時のみで、それ以外は直されませんでした。
それなので、ご飯を食べる時は左手を使い続けたのです。
実際にクロスドミナンスで調べてみると、強制的且つ中途半端に逆を使うよう直された場合にそうなりやすいのだそうです。
それに私達は2人とも右→左→ものによって右に直されたという流れがあり、より利き手がバラバラになっていったのではないかと思われます。
利き手(足)の決め方
字を書くのは直されたので右、箸は直されなかったので左。といったようになりましたが、それでは直されなかった物の利き手は全て左なのかというと、そうではないので厄介です。
以下は私の主な使い分けです。
だから何なのだ。と思われるかもしれませんが、地味に不便です。
クロスドミナンスの方2名に利き手をどうやって決めているのかを聞いてみたところ、最初はなんとなくで使ってみて「何かやりずらいな」と思ったら反対の手を使ってみる。それでしっくりくればそれの利き手が決定する。とのことで、私も全く同じです。
しかし、両方使える場合もあります。
例えばボウリングですが、最初は右手を使っていたと思いますが、右手が疲れたので左手で投げてみたら両方出来たということもあります。
また不便だからという理由で自ら無理やり直し、当初使っていた利き手・利き足が使えなくなってしまうということもあります。
両方使えたら便利なのしょうが、なかなかそう思うようにはいきません。
左右の混乱は「お箸を持つ方」から始まった
調べてみると、クロスドミナンス(交差利き)の方の多くは左右盲になりやすいそうです。
やっぱりね…。
クロスドミナンスの子供を持つ知人に聞いてみたところ、運動をしている時に右左を指定すると動きが止まってしまうとのことでした。
限りなく同じ環境で育ってきた彼女と考えた結果、「お箸を持つ方」という左右の教え方に問題があるのではないか?という結論に至りました。
小学生の時に自宅では左を指す際に「お箸を持つ方」と言われ、学校では右を指す際に「お箸を持つ方」と言われ、学校にいる時に右と言われた際は“お箸を持つ方じゃない方”と変換し、「えぇっとこっちだな。」と考えるクセができたのです。
そして次第にお箸を持つ方という表現では左右の判断がつかなくなっていったのです。
どういう教え方がよいのか。
もういっそのこと、右手に「右」・左手に「左」と書いてほしかった。
正確な判断の仕方
歳を重ねるにつれて左右の間違いが若干許されないと感じるようになってからは意識的に腕時計もしくはブレスレットをするようにしました。
腕に何かを付けている方は左だという認識をするためです。
車の運転免許証を取る為に教習所に通うようになったのがきっかけです。
右折・左折と言われるともうパニック。全然わからないのです。
車の運転時に「えぇと」と考えてる時間はありません。それにこれが理解できないと免許は確実に取れません。
それなので教習所に通っている時は必ず左に腕時計をして、左折と言われたら腕時計をしている方という判断をするようになったのです。
右左折の判断だけではなく、普段の生活でもこれでだいぶ左右を判断ができるようになったかと思います。
ちなみにゲーム機のLとRもパニックになりやすく、今はそれを直す為にまた腕時計をしています。
左右盲になった理由を理解した結果
恐らくこれらが直ることはないと思いますが、今まで疑問に思っていた事を知ったことで、すっきりとしました。
学生時代に授業でフラッグ競技があり、左右を間違えて怒られるなど思い返してみると何かと苦い思い出があります。
何で私は…と疑問視していたことに理由があった。知ることは自分を否定しない上で必要な作業でした。
また今回整理をしてみた結果、一旦考えれば左右はわかる。
しかしリラックスしている時・咄嗟に動いた時は左右を逆にしてしまう。
ということは私の脳は左右を逆で認識しているということになるのでしょう。
今回調べ考えた結果、以下2点が挙げられます。
・利き手を中途半端に直すとクロスドミナンスになる可能性が高い
・クロスドミナンスになると左右盲を生じさせてしまう可能性が高い
両方共に地味に不便です。
左利きは約10%。全体的に右利きの方が生活しやすい環境になっているかと思うからです。
過去に4店舗の飲食店で働いていた経験がありますが、得にチェーン店では作業スピードが求められ、厨房は右利きの方が使いやすい構造になっていたり、和食屋さんでは用意された片刃包丁が使えなかったりします。
このことから、字を書くことにおいて右に直されて良かった。そして今の時代は無理に直すということは少ないのではないのではないかと思いますが、私はできれば箸も右で持つように教育をしてほしかったとも思っています。
特に外食の際は気を使わせてしまっているからです。
また左右盲は時に相手を苛つかせてしまう、迷惑をかけてしまうこともあります。
左右を当たり前に判断している方にこれを理解してもらうことは難しいかと思います。
間違え続けると「なんでそんなこともわからないのか」となってしまうのです。
実際にこれを何度も言われ、私は処理能力が低いのだと思っていました。
もちろん本人の努力も必要だとは思いますが、身近に左右がわからなくなっている方がいたら怒らないで生暖かい目でいいので見守ってくれると嬉しいです。
少し時間をかければわかります。
そしてもし左利きを右利きに変える教育をするのであれば、中途半端に教えるのはなく徹底的に統一した方が良いかもしれませんね。
そして「お箸を持つ方」という、人によって変わってしまう教え方は左右盲という混乱を生じさせてしまう可能性が高い為、無くしていい風習なのではないでしょうか。
シェアいただけると励みになります
- -