シャルキュトリ(charcuterie)
まだ日本ではあまり一般的ではない「シャルキュトリー(charcuterie)」という食文化がフランスにはあります。
フランス語で食肉加工食品全般を表す言葉です。もっと分かりやすく言うと、ハムやソーセージ。パテ・ド・カンパーニュやテリーヌ。リエットと言ったお肉のお惣菜とも言うべき食文化そのものや、そういった食品を扱うお店をシャルキュトリーというのです。
シャルキュトリーの本場フランスでは、シャルキュトリーを作る人をシャルキュティエと呼び、パティシエやショコラティエといった用に職業として認められてるのです。
シャルキュトリの定義
フランスでは農水省の外郭団体が1960年代にシャルキュトリの定義を規定書として定義し、明確にしています。
この規定書には400以上のシャルキュトリの種類が掲載され、原料、香料、燻製法、添加物、代用品といったプロセス(伝統的および現代的)を明確にしているのです。
参考:日本シャルキュトリ協会
シャルキュトリは豚肉や牛肉はもちろん、鴨やガチョウ、ジビエ等、食材が豊富で調理方法も使用する材料によって加熱をしたり、生のまま提供したり、発酵や熟成、燻製をしたりと様々なバリエーションが有るのが特徴です。
日本で馴染みの深いシャルキュトリの代表といえば、ハムやソーセージ。テリーヌやパテ・ド・カンパーニュ、コーンビーフ等もシャルキュトリです。
フランスのシャルキュトリ文化
世界3大料理といえば、フランス料理、中華料理、トルコ料理と言われていますが、この世界三大料理のなかのフランス料理の文化で唯一まだ日本で本格的に言語として普及していないのがシャルキュトリと言われています。
どうしてもチーズとワインの印象が強いフランス料理ですが、フランスではシャルキュトリを用意してチーズと生ハムとワインが揃えばパーティが始まると言われているくらい生活に密着したフランスの食文化に無くてはならない存在です。
特に、ワインとシャルキュトリの相性は素晴らしく、殆どのシャルキュトリはサッと出してすぐに食べることが出来るため、フランスではワインのおつまみや、ちょっとした手土産に用いられたりと普段の生活に欠かせない存在なのです。
フランスの食文化が素晴らしいのは、ワインも同じですが、食文化を守るための明確な定義を国家のプロジェクトとしてしっかり規定書と言うかたちで定義していることだと思います。
しかも、この規定書はバージョンアップを常に重ねていて伝統と現代的な変化が盛り込まれているのです。
シャルキュティエが作るシャルキュトリの専門店 格之進Neuf
シャルキュトリを調べていると、当然本格的なシャルキュトリを食べたくなってきます。
そこで、六本木にあるシャルキュティエが作る自家製シャルキュトリを食べることが出来る格之進Neuf で、シャルキュトリを堪能してまいりました。
(記事中の写真は全て格之進Neuf で撮影をしたシャルキュトリになります。)
門崎熟成肉で有名な格之進らしく、熟成肉のコーンビーフはしっかりと味わい深く肉の旨味がしっかりと感じられる仕上がりです。
また、ビアシンケン(ビアシンキ)と呼ばれるハムとソーセージの中間のようなシャルキュトリはハムとソーセージの旨味が同時に楽しめるのが特徴です。
スパイシー感と肉の深い旨味がしっかり感じられる熟成肉のビアシンキや、淡白でさっぱりとした味わいのヤギのビアシンキを堪能させていただきました。
鴨のスモークは野性味溢れる濃厚な味わいで、鴨の味わいを強烈に感じることが出来ます。
シャルキュティエ
素材の風味や製造方法で大きな味の違いが感じることが出来るのが、シャルキュトリの楽しみ方なのだと言うことを感じることが出来ました。
そういった意味では、日本でも一般的になったパティシエやショコラティエと呼ばれている方たちの仕事がそうであるように、シャルキュティエの職人的仕事で味わいが繊細に変化するのがシャルキュトリであることがしっかりと感じられました。
気軽に楽しめるシャルキュトリー
まだまだ一部のグルメな人にしか浸透していないシャルキュトリという言葉ですが、最近では格之進Neufのようにシャルキュティエが常駐している飮食店が出来たり、気軽にお持ち帰りが出来る専門店も徐々に増えていることから、今後は日本でも本格的に流行ることは間違いないはずです。
もちろん、ワインとの相性は素晴らしいものがありますが、フルーティなベルギービールやクラフトビールとの相性もバッチリです。
シャルキュトリに興味をもたれた方は、是非ワインとシャルキュトリーでフランスの食文化を感じながら食事を楽しんでみてはいかがでしょう?